RED & BLACK

観劇日記

【感想】ミュージカル『エビータ』2019年

遅ればせながら、劇団四季のミュージカル「エビータ」の感想です。

 

2019年8月25日(金)マチネ @相模女子グリーンホール

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キャスト

エビータ:鳥原ゆきみ

チェ:飯田洋輔

ペロン:佐野正幸

マガルディ:高橋基史

ミストレス:藤原加奈子

 

感想

劇団四季の全国公演に初めて行きました。

 

『エビータ』はロイドウェーバー&ティム・ライスコンビ作なのだけど、『ジーザス・クライスト・スーパースター』と同じくらい尖っていた。主人公がセックスで成り上がる話なので当たり前だけど、性的に下品な歌詞が多い。ティーンエイジャーのエヴァが「私と寝たでしょ」と言ったり、「(娼婦に)ベッドの外で声を上げさせるな」とか。日本のミュージカル・ファンはセックスを連想させる演出が嫌いな人が多いらしいけど。

エヴァは承認欲求が大衆からの人気に結びついてしまって、それによってしか自分の行動の善悪を計ることができなくなってしまったお化けなのでしょうね。そんな彼女を魅力的に演じられるかどうかがこの作品に説得力を与えるキモだと思うのだけど、あまり上手くいっていなった印象。2階席なのもあって台詞・歌詞も聞き取りづらく、入り込めなかったのも原因かもしれない。相模グリーンホールは良いホールのはずだけど、やはりミュージカルをやるのに適した劇場ではないのだな。

 

「チェ」がゲバラなのかどうか?浅利演出だと初演と同じくゲバラっぽい衣装だけど、海外公演の動画見ると最近はそういうのはあまりないようだ。ティム・ライスゲバラのつもりではなく一般市民のつもりだったらしい。チェはエヴァの「慈善事業」を批判するが、チェがゲバラかどうかでかなり意味が違ってくるなあと。このあたりを予習せずに行ったので良くなかった・・・ティム・ライスの政治的立場についての情報が結局見当たらず。

 

1幕の最後「ニュー・アルゼンチーナ」で民衆が「今ぞ日は近し」「暁は来ぬ」(革命歌「インターナショナル」の冒頭)と言い出したので笑ってしまった。原語歌詞では単に"A new Argentina, the workers' battle song A new Argentina, the voice of the people
Rings out loud and long"と言っているところなので単に浅利慶太の趣味というか、革命歌といえばインターナショナルと思ったゆえの遊び心ですよね?

 

この話難しいのにあまり情報を得られないの困るな・・・JCSと違って熱狂的なファンはあまりいないっぽい。(BLじゃないから?)JCSが好きなのに、エビータをチェックしていなかったの愚かだったな。というかロイドウェーバー作品をあまり見ていない・・・あと、『アイーダ』の歌詞がティム・ライスなのも初めて知った。もうちょっと勉強しよう。