RED & BLACK

観劇日記

【感想】"Joseph and the Amazing Technicolor Dreamcoat" 配信(1999年映画版)

アンドリュー・ロイド・ウェーバーYou Tubeでミュージカルの無料配信を行う"The Shows Must Go On"というプロジェクトを始めたらしい。後世の人々は忘れていると思うが、現在COVID-19なる流行病のせいで、外出をやめて家に引きこもれというお触れが出ている。そのために色々なアーティストがコンテンツを配信するなどしているのだ。

natalie.mu

毎週金曜19時(日本時間では土曜3時)から48時間無料、を毎週やるとのこと。第一弾はJoseph and the Amazing Technicolor Dreamcoat、第二弾はJesus Christ Superstarだそうだ。

JCSは2012年アリーナツアー版だそうで、実はまだ見てないので非常に楽しみ。Joseph~はアンドリュー・ロイド・ウェーバーティム・ライスコンビの(ほぼ)処女作であり、JCSはその次の作品なので、発表順にやっていくのだろうか。もしそうだとすると、第三弾は次の作品エビータのはず。ALW作品はJCSとエビータが一番好きなので嬉しい。しかし、主人公がヨセフ→イエスエヴァ・ペロンって変な人選だ。

他の作品の感想はこちら↓からどうぞ。

iceisland.hatenablog.com

 

今週はJoseph and the Amazing Technicolor Dreamcoat(邦題「ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート」)ということで早速みた。1999年のビデオ版らしい。

youtu.be

 

この作品は初見だったのだけど、全体的にむやみやたらに明るいJCSという感じで楽しかった。

ストーリーとしては、旧約聖書のヨセフのお話。ヨセフは親にえこひいきされていたので兄弟たちに妬まれて奴隷としてエジプトに売り払われてしまうが、夢解釈の能力で大臣として取り立てられる。後に、飢饉で困った兄弟たちが訪ねてくるが、ヨセフの正体に気づかない。ヨセフは兄弟を試すために、こっそり末弟ベンヤミンの鞄に銀の杯を入れて盗みの濡れ衣を着せ、処刑するという。兄たちは俺たちが替わりになるからやめてくれといい、それを聞いたヨセフは兄弟を許して正体を明かす。家族みんなでエジプトで暮らすことになり、ハッピーエンド。

 

音楽は、この次の作品であるJCSを想起させるところが多い。特に、泥棒を探すシーンの"Who's the Theif"なんてJCSにほぼそのまま引き継がれている。

衣装が非常に70年代ぽいので今見るとけっこう異様な感じがする。何でもカラフルで、LSDとかやってたんかなと思ってしまった。表題になっている「ドリームコート」は虹色の上着だ。聖書ではどうなっているのかと調べたら、「かつては『多彩な色の上着』と訳されていたが、現代の聖書翻訳者は『裾の長い晴れ着』と訳している。」そうだ。

https://www.sogensha.co.jp/biblica/pdf/02.pdf

 

登場人物は全員憎めないキャラだし、歌詞が全編非常に俗っぽいというか子供っぽくてあまり聖書らしくない。ジョセフを奴隷に売り払った兄たちが喜んで踊っているところがかわいい。あと、最後、濡れ衣を着せられたベンヤミンを兄達がかばって許してもらうシーンは、ヨセフが楽しく踊っているうちに許しちゃったみたいな感じなのが良かった。しかし、ヨセフを虐めていた兄達がベンヤミンには優しいということは、ヨセフが本当に嫌なやつなのでは?と疑ってしまう。歌手風のファラオだけ声がマイク入っている感じで演出されているのも好き。