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観劇日記

【感想】ミュージカル『伝説のリトルバスケ団』(配信)

韓国のオリジナルミュージカル『伝説のリトルバスケ団』(전설의 리틀 농구단)を配信で見た。

ウェルカム大学路という、大学路の演劇やミュージカルを配信してくれるというイベントで、しかも無料!『ファンレター』や『キム・ジョンウク探し』も無料配信で見せていただいたが、韓国観光公社は気前が良すぎて毎回不安になってしまう。

 

キャスト

ジョンウ:ユ・スンヒョン

スヒョン:イム・ジンソプ

サンテ:キム・スンヨン

スンウ:ク・ジュンモ 

ダイン:クァク・ダイン

ジフン:キム・チャン

 

あらすじ

スヒョンはいじめられっ子の高校生。教室の窓から身を投げようとするが、失敗して目を覚ますと、スンウ、ダイン、ジフンという3人の男の子に囲まれていた。なんと、3人は15年前に死んだ幽霊。自分たちを見ることができたのはスヒョンがはじめてで、成仏するのを手助けしてほしいという。

幽霊たちはスヒョンに憑依して高校生活を楽しみ、彼を地域のバスケットボール団に連れて行く。そこにはスヒョンのクラスメイトのサンテがいた。ちょうど団員が足りず困っていたコーチのジョンウは、スヒョンを団にスカウト。サンテ以外の団員たちは全くやる気がないが、次の大会で成果を出さなければ解散と告げられたジョンウ先生は、猛練習を始める。

海沿いの町のチームとの練習試合が決まり、喜ぶバスケ団員たち。始めは海には行かないと言っていたジョンウ先生だったが、結局海に連れて行ってくれる。海で練習していると、海で亡くなったダインのためにお供えものをしにきたダインの父親と出会う。

猛練習のかいあって、練習試合に勝利したバスケ団。スヒョンはキャプテンに任命され、ジョンウ先生からホイッスルを託される。喜ぶスヒョンだったが、学校のいじめっ子にホイッスルを壊されてしまう。落ち込むスヒョンに、ジョンウ先生は学生時代の思い出話をする。ダンクシュートが大好きなスンウ、海で子供を助けようとして亡くなった3人のチームメイト、最期に託されたホイッスル・・・3人の幽霊はジョンウ先生の昔の仲間だった。ジョンウ先生の前に姿を現す3人の幽霊。昔のようにバスケをして満足し、去っていった。

3人が成仏したことを知らないスヒョンは不思議がる。ついに大会の日、試合の結果はボロ負け。解散かと悲しむ団員たちだったが、ジョンウ先生にチームは存続できると告げられ、これからも共にプレイできることを喜ぶのだった。

 

感想

感動的なストーリーで、役者さんの演技がすごく上手いので、当然泣いてしまった。特に、ダインの役者さん(ご本人もダインさん)の表情の演技がすごいし、カメラワークもちょうど良く表情を映してくれる。

 

とくかく男子高校生たちが超可愛い。「海に行きた~い」の曲とか海で遊んでる曲とか、ダンスが可愛すぎる。小道具の使い方もあざとすぎる。ダイン(と同じ人が演じているモブ団員)の足ひれパタパタとか、サンテの浮き輪とか、「練習だ!」と言われてるのに水鉄砲とか。スヒョンやサンテが、ダインのお父さんにお菓子をもらうときに「知らない人から食べ物を貰っちゃダメって・・・」と躊躇するシーンは、子供かい!となったけど。全体的に高校生のわりにはちょっと幼く描かれていて、完全に可愛い路線なんですよね。韓国や日本は男の子を可愛く見せる文化が発達している。

とにかく幽霊3人組が魅力的なので、もっと見ていたい・・・なんなら3人がスヒョンと一緒に2度目の学生生活楽しむだけのスピンオフがほしい。そういうコメディ漫画ありそう。『シャーマンキング』の始めの方がそういう感じだった気がする(うろ覚え)。幽霊3人組の中で、ダインは勉強を教えてくれるシーンとお父さんのシーン、スンウはバスケをするシーンと見せ場があるので、ジフンにも見せ場をあげてほしかった。折角イケメンさんなのに。

字幕が一部なかった(アドリブの部分?)せいなのかもしれないが、はじめ、スンウだけがバスケをやっていて、他の2人は別にバスケをやっていなかったのかと思ってしまった。

 

キャスト6人でコンパクトな舞台。幽霊の3人は、スヒョンとサンテ以外の3人のバスケ団員や、いじめっ子も演じるので忙しい。ただ、髪形がそのままなので、ちょっと混乱してしまった。それに、チームメイトとの友情がテーマのストーリーなのに、モブ団員たちには個性も名前もないままなのでちょっと寂しい。かわいいだけに・・・しかし、モブ団員たちはあんなにやる気ないのになぜバスケ団に所属しているのだろうか。スポーツをやっていると大学に入りやすいとかの事情があるのだろうか。

日本や韓国の学生ものだと、全員が同じ制服やユニフォームなのでキャラの見分けが難しいことが結構あるが、ヘッドホンやヘッドバンド、眼鏡でうまく見た目の違いを出してくれていた。

 

バスケの演出が気合が入っていて、舞台上でボールを使って本当にバスケをしている。全然バスケが出来ないので分からないが、狙ったときにゴールしないといけなかったり、ダンクシュートが出来ないといけないので、すごくバスケが上手い人じゃないと出来ないんじゃないかと思う。

他のバスケもののミュージカルを見たことがないので、どんなふうにやっているのか調べてみた。『17 Again』はエアバスケだが、漫画原作の『黒子のバスケ』や『DEAR BOYS』は実際にボールを使ってシュートもやっているみたいだ。2.5次元は原作らしさが重視される文化だからかもしれない。

 

See Also:

大学路ミュージカルの『ファンレター』(これは現地で見たときの)と『キム・ジョンウク探し』のレポも貼っておきます。

iceisland.hatenablog.com

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