RED & BLACK

観劇日記

【海外ミュージカル紹介】ミュージカル『ビー・モア・チル』(Be More Chill)

 

日本未公演のミュージカルを布教する企画第2回は"Be More Chill"をやります。

iceisland.hatenablog.com

 

Be More Chillとは

”Be More Chill"は2015年にニュージャージーで初演されて以来、若者の間で人気が出て、ブロードウェイやウェストエンド公演もやっている作品。

これもハイスクールが舞台のお話。主人公はジェレミーというモテないオタク高校生で、彼が人気者になるために何やかんややるストーリー。原作は同名の小説らしいけど翻訳は出ていないので読めない・・・

 

全体的に思春期の心理にスポットが当たった作品。特に、主人公のジェレミーと親友マイケルはオタクなのでめっちゃ共感できる。パーティで居場所なくてトイレで「帰りたい・・・生まれてこなければよかった・・・」って思っているシーンとか、聞いているだけで辛くなってくるけど良い。あと、マイケルが、高校では俺らみたいなオタクはスクールカーストの下だけど、大学に行けば人気者になれると主張する部分が好き。何の根拠で?と思うけど、その感覚は分かる。

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また、ジェレミーとマイケルの友情が超かわいい。2人セットでかばんに「Boy Frirend」と落書きされてからかわれているけど満更ではなさそうだったり、ジェレミーがマイケルに「一番好きな友達」とか「これ以上の友情はない」とか言ったりします。Deviant ArtにたくさんBLなファンアートがあったので、そういう話なのかと思ったけど、腐女子の妄想だった。

 

音楽はロックの中にちょっとゲーム音楽風の部分もあり、キャッチーな曲ばっかりでハマる。ストーリーの中にも、マイケルがパックマンのタトゥーを入れてたり(ダサい)、コナミコマンドが登場したり、ちょっとしたゲームネタもあるので、分かる人には楽しい。冒頭いきない主人公がAVをダウンロードしているところからはじまる(テレビの映像みたらここは歌詞が変わっていて笑っちゃった)など、下ネタも少しあるし、全体的に歌詞は飾らない言葉で親しみが持てる。

 

 登場人物

ジェレミー(Jeremy):主人公の男子高校生。オタク。

マイケル(Michael):ジェレミーの親友。オタク。

クリスティーン(Christine):ジェレミーが好きな女の子。演劇が好き。

SQUIP:謎の薬の擬人化。マトリックス風の派手な格好の男性。

リッチー(Rich):いじめっ子。

クロエ(Chloe)、ブルック(Brook):リア充女子。

ジェイク(Jake):クリスティーンと付き合っている男子。

 

あらすじ

第一幕

ジェレミーはイケてない高校生。親友マイケルは俺たち負け犬だけど別にいいじゃんと言うが、ジェレミーはただ生きているだけの状態を変えてくれる出来事がないかなあと思っている。ジェレミーは好きな女の子クリスティーンが演劇の公演に参加すると聞いて、自分も参加することを決める。("More Than Survive") 

クリスティーンは、演劇に対する愛を語る。ADD傾向がある彼女は、常に何を言えばいいかが分かっていて、色々な役を演じることが楽しいという。("I Love Play Rehearsal")

 

いじめっ子の同級生リッチーは、昔は俺もお前みたいにイケてなかったけど「SQUIP」を手に入れてから変わったという。「SQUIP」はナノテクノロジーを応用した薬で、飲むと量子コンピュータが脳に入り込んで、すべきことを教えてくれるそうだ(ちなみに日本製)。お前もこれを飲めば人気者になれるぞと勧める。("The SQUIP Song")

ジェレミーはマイケルと一緒にゲームをしながら、SQUIPについて話す。マイケルは何があっても2人はチームだと言う。("Two-Player Game")

 

2人はショッピングモールにSQUIPを買いに行くことにする。SQUIPはマウンテン・デュー(緑色のジュースらしい)と一緒に飲むことで効果を発揮するらしい。ジェレミーがSQUIPを飲むと、SQUIPの精霊?らしき謎の人物が現れた。 ("The Squip Enters") 

SQUIPはジェレミーに対して、見た目も性格も何もかもダメだから自分の指示に従えと言う(ひどい)。SQUIPがジェレミーに新しい服を買いに行かせると、学校の女子ブルックとクロエに会う。SQUIPの指示に従って、興味を引かせるような嘘をつくジェレミー。 ("Be More Chill, Pt. 1") ブルックは車で送ってあげると言い、SQUIPはその提案を受け入れるように指示するが、ジェレミーはマイケルのところに戻るといって断ってしまう。("Do You Wanna Ride?") SQUIPは、人気者になるために自分の指示に従えと説得する。 ("Be More Chill, Pt. 2")

 

次の日、ジェレミーが学校に行くと、SQUIPは、生徒たちが人間関係に対して潜在的に不安な気持ちを感じていることや、その心理を利用して社会的な強者になる方法を解説する。(Sync Up)

演劇の練習に行くと、クリスティーンが「最近夢中になっている人がいるの」と話す。ジェレミーは僕のこと?と思うが、それは別の男子ジェイクのことだった。(A Guy That I'd Kinda Be Into)

 

ブルックはジェレミーに興味を持って話しかけてくる。その横で、ジェイクはクリスティーンを自宅デートに誘っている。SQUIPは、ブルックとデートして社会的地位が向上してからクリスティーンに挑戦する作戦をジェレミーに指示する。ジェレミーは圧倒され、SQUIPに数分間停止するように言う。すると、近くにマイケルがいるのに気づく。ジェレミーはマイケルを見て喜ぶが、マイケルは1日中ジェレミーに無視されていたという。マイケルは以前のジェレミーと結びつきすぎているために、SQUIPが「神経遮断」を使ってマイケルを見えなくしていたのだった。ジェレミーは、もう「敗者」でいるのは嫌だと感じて、自ら「神経遮断」のスイッチを入れてしまう。("Upgrade")

 

第二幕

ジェイクが主催したハロウィーンパーティに、ジェレミーはブルックと一緒に参加する。クリスティーンはプリンセスのコスチュームで参加するが、ジェイクはクリスティーンを無視する。("Halloween")

ブルックに嫉妬したクロエはジェレミーを誘惑する。クロエがジェレミーとセックスしたように見せかけると、ブルックはショックを受けてしまう。( "Do You Wanna Hang?")

女の子たちから逃げ出したジェレミーがトイレに行くと、マイケルと遭遇する。マイケルはSQUIPの危険性を警告するが、ジェレミーはマイケルは僕に嫉妬していると非難する。マイケルは親友を失ったことを悲しんでトイレに閉じこもってしまう。("Michael in the Bathroom")

ジェレミーはSQUIPの助けを借りずにクリスティーンに話しかけて、デートに誘うが、ジェイクと別れて自信をなくしたクリスティーンに断られてしまう。(A Guy That I'd Kinda Be Into (Reprise))そこにSQUIPでおかしくなったリッチーが現れ、家に火をつけて燃やしてしまう。その事件はメールとツイッターで瞬時に学校中に広まる。(The Smartphone Hour (Rich Set a Fire))

 

ジェレミーは父親に最近変になったと心配されて、喧嘩してしまう。父親はマイケルに、息子と友達でいてほしいと頼む。("The Pants Song")

 

演劇の練習に行くと、クリスティーンはリッチーが起こした放火事件に動揺していた。ジェレミーはSQUIPに怒るが、SQUIPは事件が起きたのは「ヒューマンエラー」のせいだと一蹴する。さらに、生徒たちは不完全で苦しんでいると主張し、彼らを救うために全生徒にSQUIPを使用させる計画を明らかにする。("The Pitiful Children")

演劇クラブの先生も既にSQUIPに乗っ取られており、さらにSQUIPを溶かした液体を生徒たちにも飲ませてしまった。ジェレミーは、SQUIPでおかしくなったリッチーが赤色のマウンテン・デューを探していたことを思い出し、緑色のマウンテン・デューとは反対に、赤色があればSQUIPを停止できると気づく。そこに、客席にいたマイケルが赤色のマウンテン・デューを持って登場し、ジェレミーとマイケルは仲直りする。ジェレミーが生徒たちに赤色マウンテン・デューを飲ませようとするのを、SQUIPは、クリスティーンに「ジェレミーが好き」と言わせて止めようとする。しかし、ジェレミーはこれは自分が求めているものではないと気づいて、クリスティーンのSQUIPを停止させる。("The Play")

病院で目覚めたジェレミーは、マイケルや父親、クラスメイトと談笑する。心の中で聞こえてくる色々な声と共存して生きていくことを決める。ジェレミーは再びクリスティーンをデートに誘い、今度はクリスティーンもその思いを受け止める。("Voices in My Head")

 

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