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観劇日記

オリジナル設定が強い|ミュージカル『ブラザーズ・カラマーゾフ』(配信)

(一部で)話題になっていた韓国ミュージカル『ブラザーズ・カラマーゾフ(브라더스 까라마조프)』をNaver後援ライブで見た。日本語字幕はないが、有志の方々が作成した和訳をお借りさせていただいたおかげで、何とか見ることができた。ありがたい。

のだが、内容はよく分からなかったし、単調で途中で飽きてしまった。和訳を見せてくださった方々、すみません・・・

 

キャスト

フョードル:ド・チャンソン

ドミートリィ:イ・ヒョンフン

イワン:キム・ジェボム

アリョーシャ:キム・ジオン

スメルジャコフ:チェ・ソクジン

 

感想

ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」をもとにした作品。といっても原作のストーリーをそのままミュージカルにしているのではなく、兄弟と父フョードルとの人間関係を軸に、オリジナルシーンも盛り込んで再構成している。

プロットがなく、ひたすら濃厚な人間関係のシーンが続くので、正直単調だった。私だって男同士のクソデカ感情は好きだけど、ずっとそればかりだと、さすがに飽きてしまうな・・・

音楽も、ピアノだけなこともあり、同じような曲調が続いている感があって、それも単調さに一役買ってしまっていた気がする。でも、冒頭の宗教音楽っぽい曲や「戯言」はキャッチーで好きだ。

あと、単に台詞が難解すぎて全然分からなかった(和訳のせいではないです)。原作を読んだのが昔すぎるせいだろうか。2回目を見たらちょっと理解が進んだので、もっと見たら分かるようになるかもしれないが・・・何回も見ないと分からないタイプの作品は得意ではないなあ。

 

オリジナル設定が強いのも、あまり受け付けなかった。

特に、スメルジャコフの設定がかなり変わっている。チェ・ソクジンさんの演じるスメルジャコフは、知的障害がある少年で、見た目は「デスノート」のLを思わせる。スメルジャコフの年齢は、原作ではドミートリィとイワンの間だが、この作品ではアリョーシャより年下という設定らしい。原作のスメルジャコフは都会帰りのイキリ野郎で、私はそれが結構好きなので、このスメルジャコフはちょっとなあと思った。

アリョーシャが末っ子ポジションを奪われてしまったのも悲しい。キム・ジオンさんの演じるアリョーシャは、末っ子可愛いアリョーシャではなく、すごく気が強い感じ。

イワン役のキム・ジェボムさんが優しい雰囲気なので、余計にアリョーシャの強さが際立つ。キム・ジェボムさんは『ファンレター』でヘジン先生をやっていた方で、やはりインテリ眼鏡が似あう。イワンよりアリョーシャの方が強い。

ド・チャンソンのフョードルは原作のイメージにすごく近くて好きだ。吉田鋼太郎さんに似ているな、と思ったら、吉田鋼太郎さんは日本のドラマ版「カラマーゾフの兄弟」でフョードルを演じたらしい。

 

See also:

男同士の感情が好きな人は『ファンレター』を絶対見てほしい。

iceisland.hatenablog.com