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観劇日記

【感想】『ジーザス・クライスト=スーパースターinコンサート』2021年

ようやくですがJCSコンの感想を書きます。JCSはとてもとても好きな作品なので、自分のなかで感想を消化するのに少し時間がかかった・・・

基本情報

2021年8月1日(日)マチネ@フェスティバルホール
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写真はキャストのサイン入りポスター!サイン見えづらいけど・・・

 

キャスト

ジーザス:マイケル・K・リー

ユダ:ラミン・カリムルー

マリア:セリンダ・シューマッカー

ピラト:ロベール・マリアン

カヤパ:宮原浩暢

アンナス:アーロン・ウォルポール

ヘロデ王藤岡正明

ペテロ:テリー・リアン

シモン:柿澤勇人

 

感想

もともと東京公演のチケットを取っていたのですが、行く予定だった日がコロナのせいで中止になってしまった。どうしても諦めきれなかったので、急遽大阪公演のチケットを取って行って来ました。はじめての大阪だったけど弾丸日帰り。

「一瞬で終わる」という前評判を聞いて、そんなに楽しいのか~と期待して行ったのだけど、物理的に短かった。20分の休憩を入れても2時間ちょっと。2時間のために6時間かけて大阪に行ったのか・・・とちょっと思ってしまった。ソワレの開始時間も17時と早かったし、リピーターチケットもだいぶ安売りしてたみたいだし、ソワレを見てから帰れたかも、と後悔した。しかし、既に時間変更不可の新幹線のチケットを取ってしまっていたので、泣く泣く帰宅した・・・計画性大事。

 

聖書のジーザスは子供のときから自分が神の子だと理解しているけれど、この公演のジーザスは、普通に暮らしていた人間が突然神の啓示を受けたように見えた。

ユダやマリアやペテロも、ジーザスが本当に神の子だとは全然思ってなくて、たんに友達同士でボランティアサークルをやってるような感じに見えた。ジーザスの言う神の教えが本当に神の啓示だとは信じてないけど、「良いこと言ってるし世の中のためになる活動だよね」と解釈してるのかなと思った。他の演出だと"The Last Supper"で使徒たちが言う「老後は福音書でも書こう」ってとても無責任な感じがする部分だけど、この演出だと「老後までジーザスと一緒に活動を続けていきたい」というポジティブな意味も感じられた。

ジーザス自身も、自分が神の子だという意識はあんまりなくて活動してきたのに、いきなり死ぬという話になって困惑しているみたいだ。それに、自分の苦悩を共有できる相手がいなくて孤独なように見えた。マイケル・リーさんのジーザスは、シリアスで共感しやすいキャラ作りで好き。

観客にとっては、JCSは聖書の話であるという認識が念頭にあるので、ジーザスが神の子だということは自明だけれども、現実で突然友達が「神の啓示を受けた」とか言い出したらびっくりするはず(知り合いの知り合いにそういう人がいて、一時期宗教団体をやっていたらしいけど)。今回はコンサート版でシンプルなだけに、JCSという作品のコンセプトである「聖書の物語を現代の現実のものとして捉えなおす」という点をあらためて丁寧に描く演出だと感じた。

たぶんジーザス以外は、最後までジーザスが本当に神の子だということは分からなかったように思う。ただ、ユダは自殺する直前に、ピラトは尋問してるうちに、ジーザスを殺すのが自分の役割だと分かったように見えた。

私は2000年版ユダのネットリ愛情が好きだけど、今回のラミンユダは仲の良い友達っぽく見えた。今回の演出では、逮捕のときのキスはなくて、代わりにジーザスが身に着けていたストールをユダに渡して去っていく。このストールは、ジーザスが普通の人間として生きてきた証みたいなもので、それをユダに託して、神の子として死んでいくのかなと思った。つらい。

 

コンサート形式のため、オケピではなくセットの中にオケが居て、オシャレだし、編成が分かって面白かった。下手側は良く見えなかったけど、編成は、エレキギターとベースとドラムセットとシンセはもちろん、アコギやティンパニー、木管はフルート・クラリネット・サックス、金管はトランペットとホルンの豪華編成だった。

木管はフルート・クラリネット・サックスを一人の人がやっていて驚いた。クラリネットとサックスはまだしも、フルートもできる人なんているんだ・・・

 

キャストは豪華すぎてなんだか申し訳ない気持ちになった。ソロが一瞬しかないペテロのためにテリー・リアンに来日してもらっていいの?とか。藤岡正明さんのヘロデ王もずっと椅子に座って待っているから大変。

宮原浩暢さんのカヤパ、アーロン・ウォルポールさんのアンナス、アンサンブルの皆さんが"Jesus Must Die"をすごい楽しそうに悪役をやってて面白かった。実はこの曲が一番好き。

衣装がずっと同じなので、アンサンブルは、場面ごとに違うものを演じ分けるのが大変そうだった。

 

 

See also:

今回、一緒に行くはずだった友人用に予習資料作ったけど、もともと行こうとしていた日程が中止になったため友人は来れませんでした・・・なので供養。

iceisland.hatenablog.com

アリーナツアー版の感想。

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