RED & BLACK

観劇日記

No Day But Today|ブロードウェイミュージカル『レント』2022年

2018年以来、4年ぶり2回目なRENT来日公演。ようやっと感想を書きます。

 

基本情報

2022年5月21日(土)マチネ@シアターオーブ

 

キャスト

ロジャー:Coleman Cummings

マーク:J.T. Wood

ミミ:Aiyana Smash

エンジェル:Javon King

コリンズ:Shafiq Hicks

モーリーン:Makenzie Rivera

ジョアン:Rayla Garske

ベニー:Jarred Bedgood


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感想

今まで、RENTといえば1幕の自由で楽しい雰囲気が印象が強かったが、今回は2幕の悲しい展開が心に響いた。

観劇したときにAV法が話題になっていたこともあり、ミミはセックスワーカーなんだよなと改めて思った。おそらく実家も大家族で貧しくて、HIV陽性でドラッグ依存になって、ってすごく厳しい状況を描いた話だったんだ、と今更ながらに気づいた。

RENTの登場人物たちは、健康や社会生活上の不安定な立場にいて、それでも(だからこそ)互いに愛し合って1日1日をより良く生きていこう、という作品のメッセージをやっと受け取れたような気がする。

今まで何を見てきたんだ、節穴か、という感じですが・・・理想論という感じがして、表面的にしか理解できていなかった。今回の公演は、ミミやエンジェル役の役者さんの歌が上手くて説得力があって、演出の力メッセージを直球にぶつけてくれたからこそ伝わったような気がする。

 

2幕の悲しい展開は楽しめた(というと変だが)、1幕の楽しい場面は逆にあんまり入り込めなかった。私はもともとRENTの楽しい曲たちが好きで、特にオープニングナンバーなんかモロにスクウォット運動で大好きなのだが・・・

思うに、サブカル集団ワイワイ的なノリに、若いころよりも魅力を感じなくなってきたような気がする。自由な集団であれば皆ハッピーというわけじゃなく、その中でも実は搾取や抑圧や暴力があるという実例を見てきてしまったからかもしれない。

あと、音響のせいなのか、舞台がめちゃくちゃ遠く感じて入り込めないときがたまにあり、今回それだった。来日公演で比較的発生確率が高い(ような気がする)ので、音響さんが来日スタッフでハコに慣れていないからかもしれない。音響のせいじゃなくて、自分のコンディションの問題という説もあるが。

 

私の推しはロジャーなのですが(ロッカーのダメ男が好きなので)、今回のロジャーはカワイイ系でちょっと戸惑った。前回見たときはロジャーかっこいい~と純粋に思えたのだが、今回は「死に際にバンドマンの彼氏が自己満自作曲歌い始めるの最悪では?」と思ってしまった。

4年前のロジャーはシュッとしたカッコいい系の人だったし、そもそもオリジナルキャストがアダム・パスカルだからね・・・。ロジャーってものすごいイケメンじゃないと許されない役なんじゃないかと思った。

どうでもいいけど、「ニューヨークが嫌になってサンタフェに行きたがる展開はNewsiesでも見たな」と思ってサンタフェの場所を調べてみたところ、ものすごく遠かった。東京を離れて湘南で暮らすようなイメージだったのだが、全然違う。小笠原移住くらいだった。車で行くのすごいよ。

 

See also:

テーマ的に近い作品の感想を貼っておきます。DVD出るらしいですね。

iceisland.hatenablog.com

えーと、サンタフェ行きたがりつながりでNewsies。

iceisland.hatenablog.com