『ジョセフ』行ってきた。あー楽しかった。
去年の『アンマスクド』で曲を聞いてから、楽しみにしていた作品。The Show Must Go On!の配信で映像版も見たしね。
主演の藪さんがBe More Chillの主演を務めることが発表された直後だったので、心穏やかに楽しめるか不安だったのだが、ちゃんと、というか思い切り楽しめた。上演時間が短いのが寂しい。
基本情報
2022年4月23日(土)ソワレ@日生劇場
キャスト
ジョセフ:薮宏太
ナレーター:シルビア・グラブ
ファラオ:小西遼生
ポティファー:小浦一優
ジェイコブ:村井國夫
多すぎるため他の方々は省略。
感想
まず、正直な感想は、「この作品、こんなにふざけてたっけ・・・?」。8割くらいふざけている。
映画版を見たときも、「ALWはこのときLSDかなんかやってたんだろうか?」と思ったけど、この演出は映画版よりも、おふざけ度がさらに3割増しくらいされている。楽しい。
どの曲もかなりふざけているけど、"Benjamin Calypso"が一番謎だった。何でここで踊りだすのか???弟の命乞いくらい真面目にやれ!パイナップルの眼鏡をかけて踊るな!ていうかなんなんだパイナップルの眼鏡って。パイナップルなんて歌詞に一言も出てきてないよ。
演出が楽しいのはもちろんだが、それを支える「訳詞:高橋亜子 衣装:前田文子」の安定の素晴らしい仕事ぶりには感服。
訳詞は絶妙にゆるくてツボにはまる。映画版を見たときは英語だったから、こんなに面白い歌詞だとは気づかなかった。今回の訳詞は、正確には思い出せないけど「僕はハンサム 僕はスマート もはや歩く芸術品~」「ベンジャミンはトコトンいいやつ」とか、言葉選びの脱力感で面白さが3倍くらいになっている。常時くすくす笑ってしまったので隣の席の人はうざかったかもしれない。ごめんなさい。
衣装も面白くて、しかもオシャレだからさすが。メガミックスのキラキラの衣装は、見てるだけで楽しい。キラキラの衣装の人たちが舞台上で歌って踊って盆が回るとめちゃくちゃハッピーだと再認識した。
あと、パイナップルの眼鏡。なんだったんだ、あれも前田さん考案なのか?
衣装は面白いだけじゃなく、アイドルか2.5次元みたいなカラフルなカツラも登場してかっこよかった。兄弟たちの普段着も、地味だけど結構オシャレで全員に似合っているのも好き。
兄弟&妻たちの皆さんが特によかった。兄弟たちはジョセフを売り払ってしまう役なのに、かわいくて全然憎めない。楽しく合唱して群舞するシーンが全編にわたってたくさんあり、心が癒される。テニミュみたい。
アンサンブルなのに(いや、役名は一応あるが、役割的にはほぼアンサンブル)、強い人が大量に混じっているのが良かった。
特にルベン役の原田優一さん。1幕の時点で、「なんか異様な存在感の兄がいるな・・・」と思っていたが、2幕でやっぱりあれかー!と気づいてからは原田さんしか目に入らなくなった。"Those Canaan Days"のソロはもはや独壇場。どれが原田さんか分かった状態で1幕見られなかったのが最大の後悔ポイントですらある。
そしてジュダ役の日野真一郎さん。"Benjamin Calypso"のソロは上手いし陽気で楽しかった。ただ、パイナップル眼鏡で脳のメモリの大半が占められてしまい、あまり覚えていない。無念。
ジョセフ、ベンジャミンの末っ子2人、藪さんと元木湧さんはどちらもジャニーズなのだけど、この配役はけっこう良かったと思う。ジョセフとベンジャミンは大した理由もなくちやほやされる役だから、アイドルに適している気がする。藪さんのジョセフは流され主人公という感じで毒がなく、憎めないジョセフでよかった。
See also:
思えば、コロナ禍になって最初にミュージカルの配信を見たのはこの作品だった。ありがとうALW。
アンマスクドで『ジョセフ』の曲聞いたときは、このまま劇団四季でやっちゃえばいいのに~と思ったけど、間違いだった。四季ではこんなにふざけられない。
藪さんが次に出る作品。チケット取れるか怖すぎる。