RED & BLACK

観劇日記

どうせならもっとハチャメチャにしてほしい|ミュージカル『新テニスの王子様 The Second Stage』(配信)

テニミュ、今回は配信で見ることにした。テニミュを配信で見るのは初めてなので、いろいろ種類があって迷ったけど、結局千秋楽公演を見ることにした。

 

基本情報 

2022年2月27日(日)ソワレ@メルパルク大阪

キャスト

入江奏多:泰江和明

他は省略

 

ストーリー

前作で、U-17日本代表合宿に参加することになった中学生選抜メンバーたち。いつしか、2軍の上位はほとんど中学生で占められるようになっていた。

そこに、1軍メンバーが海外遠征から帰ってきた。2軍メンバーたちは、1軍の座をかけて試合を申し込む。

 

感想

リョーマの父、南次郎を狂言回しに設定したのが新しい試みだった。

南次郎が、イリュージョン(他人に変身する技)やらラケット二刀流やら、ハチャメチャな展開にツッコミを入れてくれるので、ちゃんと笑える。「漫画じゃあるまいし」とかのメタなギャグも面白かった。

前作は、鷲と戦うとかガット2本とかが当然のことのようにストーリーが進んだからな・・・そうそう、テニプリっていうのは、ありえない展開にツッコミを入れながら楽しむものなんだよ!(私見

しかし、南次郎は元プロのテニスプレイヤーという設定なのだが、中学生は変身したり海賊を召還したりできるのに、プロはできないということだろうか。

 

狂言回しを設定することで、ストーリーの構成を整理しようという頑張りは伝わってきたのだけど、回想シーンの何度も挿入されるので、正直構成は分かりづらかったかな・・・1幕終わりが回想シーンなのもちょっと変だし・・・

あと、1曲の中に回想が入っているんじゃなくて、回想シーンの中に曲がある(時には何曲も)のが、ミュージカルっぽくない(伝わるかな)。

試合の途中で、別の場所で別のキャラが別のことをしている場面が挿入されるのも、ちょっと混乱する。そもそも、1試合が長すぎるのもあるが・・・

 

今作はどんどん技がインフレして現実離れしていくところなので、漫画のハチャメチャなアクションをもっとハデハデに再現してほしかったな。

ボールで人間をありえん高さまで吹っ飛ばすシーンは、ワイヤーアクションで再現してほしいと思ってしまった(『北斗の拳』を見た後なので)。それはさすがに予算的に無理だろうけど、「光る打球」とか、ボールでコンクリを抉ったりは、何とかして再現してほしかったよね。

平等院先輩の別次元のテニス(コートに海賊を召還して相手を刺し殺す)のシーンは好き。海賊に扮したチームメイトたちがトートダンサーみたいで、ミュージカルらしくて楽しい。

前回の感想にも書いたけど、新テニミュは群舞や合唱が少なくて寂しいんだよね。今回は特に、オープニングとラストしか、群舞がなかった。

 

前作は、鬼先輩役の岡本悠紀さんが歌もダンスもすごく良かったのだけど、今回はソロ曲があんまりなくて残念だった。出番は多いのに。子供たちとのふれあい回想シーンをソロ曲にしてほしかったなー。でも金太郎君との2重唱は可愛かった。

あと、「処刑人」の遠野先輩役の輝馬さんも異常に芸達者で良かった。遠野先輩は処刑と称して試合相手にボールをぶつけるのが好きという最悪のキャラで、演じ方によっては痛々しくて見ていられない感じになってしまいそうなのだが、喋り方のせいかなかなか鬼気迫る感じですごい(アニメ版もこういう喋り方なのかな)。歌もうまいし。調べてみたら、2.5次元中心で活動している役者さんだそうだ。2.5次元特有の技術の発展があるものだなあ。

 

See also:

前作の感想。もう1回見たくなってきた。どうしよう。

iceisland.hatenablog.com

映画の『リョーマ!』の感想。これのせいで、頭がハデハデ中毒になってしまったのかもしれない。

iceisland.hatenablog.com